草津市議会議員 宇野ふさ子
宇野ふさ子のブログ ふさ子日記
日々の活動を記録しています
議会の記録
平成20年12月 市議会報告 一般質問
草津市の教育
宇野 私の二人の子どもを通して教育について深く考え始めるようになったのはPTA会長を経験した中で、本部は校長や教務との関わりが多くあって教育委員会と行政の中をうかがい知る事がきっかけでした。選挙にはまちづくりは人づくりであると掲げていましたが、市長もおっしゃっておられています。大人の頭は柔軟的な対応は難しい中、教育は大事であると思います。

今回就任された教育長への市民の期待は大きく持っているところですが、過日教育委員会を傍聴した時発言されていましたが、「教育長のあつまりで、灘校は校則なし勉強も自主的にと言うやり方は私立だから出来るのでは無く公立も学べ」と言われたと述べられました。先日の新聞での世界の学力ランクキング発表には今回はフィンランドは参加していないので出ていなかったが、毎年世界一位になっています。これは、学力世界一のフィンランドで行われている公立学校の教育を、灘校がやっていることとほぼ同じです。
「草津市は独自の横並びではなく、子どもの未来をどうするのかを考えるダイナミックな展開は何が必要かの議論をする」とのお話でしたが、

今の草津市の限られた財源の中で行うのは、国や県、上位から来る枠内の仕事に加えた中では、困難であると就任されてから感じておられませんでしょうか。今日までのご所見をお伺いします。   
答弁 「教育は国家百年の大計」国を興すのも滅ぼすのも教育と言われ久しいですが、私は社会に有為な「人を育てる」ことが教育の使命だと思っております。教育長としてわずか2ヶ月の経験ではございますが、公立学校が抱えている問題は多様で、解決すべき課題は沢山あると感じております。
また、学校や園の状況が市民に正しく伝わっていない現状もございます。学校から保護者へのたよりなどは、地域に配布されていないので、ともすれば問題点だけが浮き彫りにされている場合もございます。
また義務教育で市町村が担う教育は公教育であり、一定の教育水準を確保するためにさまざまな枠組みや制約もございます。しかしながら、制約等のあるなかでがんばっている子どもや教員も大勢おります。地域や市民の皆様に支えられた草津市の教育環境をより充実していくため、常に先進的な教育・研究・実践事例に学び、よい点を見極め実践につなげる。そして、各学校の特色・特徴を打ち出し、「個性輝き、子どもを励ましながら、議員が輝く教育のまち」をめざし、現場の教職員のみなさまとともに築き上げたいと思っております。
宇野 (再質問)
地方自治体では教育委員会は独立行政機関になっています。国では文科省は内閣の一員である文部大臣の指揮監督で政治統制の下にあり、国には独立した教育委員会はありません。その指導がどうして政治的中立なのかと思います。地方自治体には直接議員が教育委員会のメンバーにはおりませんことから、国との違いをこのことについてはどのようにお考えですか。
答弁 (暫く間が空きました)
色々制約があります中、市でしようと思いますと、人・物・金がいります。
人と金は県で管理され、市では物は抱える負担が大きい。市として知恵を出し合いながらやって行きたい。
文科省や県教委について言いたいこともあるが共に考えて行きたい。
宇野 私は組織について尋ねたかったのですが、後ほど話をさせていただきたいと思います。
元文科省の大臣の問題発言があったり、政治統制の中にある教育再生の運びを見て教育の中立性に疑問を持つことがあります。国から下りてくることをこなしこれからの分権化という観点から追従していく事だけでは課題が生まれると思います。県への要望も出していただきたいと考えます。
浅野史郎元宮城県知事の全国知事会での発言で、教育委員会は誰を見て仕事をしているのか、かなりの部分文科省の方を向いて仕事している。仕事は上から下りてくることになれすぎている部分があると思うと言われました。
草津市はこう言うことにならないで貰いたいし私どもも働かせていただきたいと思っています。
教育現場の先生方の話をお聞きしますと、市長と教育長も同席でしたが、人員不足を一番に発しられます時、市長のマニュフェストでは教育重視を掲げられ、学校の状況に応じて1名増員し、講師や事務職などに当てるとありますが、何処の分野も仕事の量が多く、子どもが帰り5時以降からしか自分の仕事が出来ない状態と言われています。教師が忙しまぎれの中では教育は十分には出来ません。時間割を5校見せて貰いましたが、昼休みは設定してありますが、殆ど取れていないように思います。
教師が意気、志気を感じられなくなれば、心で教育は出来ないと思います。
間に合わせ的に応急的なボランティアに頼るとか、教員免許がある人で仕事は同じようにしていても県費の人と市費の人では格差があることも聞いています。

専門性のある教師の文化評価が低い人員配置でなく、専門職をつけ一定の報酬が保障され、期間も保障され安心して定着した教育に関わって欲しいのですが、教育への草津市の教育委員会への財源確保について所見を伺います。
答弁 教育への更なる財源の確保にかかるお尋ねですが、義務教育にかかる教職員の配置及び負担につきましては法律により県の責務となっている。しかし、多種多様にわたる現場からの要請に応え、教育環境の充実をめざし、市単独施策として、生徒指導として教員の加配をはじめ、特別支援教育支援員など教員資格以外の配置も含め、数々の教職員の配置を実施しているところです。
草津市を取り巻く財政環境は大変厳しい中ではあるが、草津市の教育のより良い環境をつくり、草津の未来を担う子どもたちの健やかな成長を育むため、教育への投資は、草津の未来のための投資との認識のもと、教職員の配置をはじめとするソフト施策や教育環境の充実としてのハード整備など、限られた財源のなか、より実効性のある効果的な予算確保ができますように取り組んでまいりたいと考えている。なお、ご指摘の県費講師と市費講師との待遇面での差はほとんどないものと認識している。
宇野 (再質問)
教育委員会の予算編成権は首長が持つ中、予算編成について、議会開会時に市長は、福祉・教育・医療・など抜本的に洗い直し、優先順位をつけ見積もり審査の公表をし収支改善といわれたが、どの辺から見直しが出来るのか、何処から手をつけられるのかお伺いします。
答弁 これから予算編成作業に入るが、厳しい財政環境のなか予断を許さない状況である。何を優先するのか全般において考えて配分していく。
宇野 とくに教育についての配分には配慮して貰いたい。
ちなみに教育への公的支出はOECDの中ギリシャが1番日本は下から2番目です。国際人権規約で、高等教育無償化条項を留保し続け、国連から勧告を受けています。

このような中で国は約60億近くもの経費をかけ国語と算数のみ、しかも6年生と中学3年生だけの全国学力テストが2年行われました。これだけの経費をかけて、業者委託されたが何処の業者かご存知ですか。
答弁 申し訳ありません。ちょっと資料を持っていないので、把握します。
宇野 小学校はベネッセで、中学校はNTTコミュニケーションから内田洋行に変わったと聞いておりますが、業者を使ってまで学力テストをする意味があるのかをこれからの質問から考えて欲しいのです。
現場の先生の声を聞いています。

学力テストに加えて生活アンケートがされてかなりプライベートな調査から見えるものがあると思います。学力格差は、生活習慣も要因の一つかもしれないが家庭の収入格差が大きいことから、教育の根本的なあり方を考える必要があると思います。
日々の指導やテストで学力は把握されています。
修学旅行のあくる日に他校では実施済みで答えが公表されてからのテストの実施をされたが、このような成績調査で、本当の数値が出るのかどうか・・
答弁 生活実態も調査している。単に算数国語の学力だけでなく学力を通し全体的なものを見る、背景を見て、教育につなぎ子どもを伸ばすように考えている。
修学旅行の後、生徒が、答えを全部知っているわけではない。たまたま全国の学力テスト実施の時期がそうなった。
宇野 生徒には不利な事と思います。もし、実施することなら避けて実施してもらいたいです。

学テ実施ありきで行われたと教師からは聞いています。5月議会の記録も録画もありますが、前山本教育長は、全国一斉学力テストの実施は、文科省が責任を持って学力や学習状況把握をし、指導や改善に役立てるための実施されることから、子どもや先生の意見を聞いて実施すべきものと考えておりませんと言われますが、学力テストについて 職員会議で話し合いや、子どもの意見をなぜ聞いて行われないのですか。
答弁 全国学力・学習状況調査の実施に関しましては、5月議会で16番藤井議員にお答えしたとおり、文部科学省が責任を持って児童生徒の学力・学習状況を把握し、教育指導や学習の改善に役立てるため実施されるものであることから児童・生徒や教職員の意見を聞いて実施すべきものとは考えておりません。
宇野 子どもでも意見を聞いて貰えないことは、意気消沈するだろう。先ほどの教育長のお話では教員を激励すると言われました。今後は指導監督する体制の強化ではなく学校が活性し、教育再生の場にして欲しいと思います。
国語と算数だけのテストで、しかも日頃なれない別の解答用紙記入方法で、点数だけの学力が把握できるのか疑問です。

特別支援学級の子らには、初めこの学力テストの時には対処をどう考えていたのか。学習内容が重い子らはテストを受けることが前提ではないと言う節がある学校では見え隠れしていたと聞くが、その後保護者にご意思確認してうけるようになった。
外国籍の子らには日頃の教科書も母国語に翻訳されて無いが、今回のテストに配慮が欠けていないか。
学習の機会均等を考慮し、人権に関わる内容も含まれていると思うが、ご所見を伺います。
答弁 特別支援学級に在席する児童や生徒への調査は、市教育委員会と相談の後、各学校の判断により、一人ひとりの障がいの種類や程度に応じた配慮をすることができます。具体的には点字や代筆による回答や調査時間の延長、調査時間中を含めた付き添い者の同伴等の配慮ができます。
また日本語指導が必要な児童や生徒につい原則として他の児童と同様の授業を受けていれば調査の対象となります。具体的には市教育委員会と相談の上、各学校において判断し、実施しておりますが、本年度はいずれも該当者がありませんでした。このような児童や生徒については、日本での学習に少しでも早く適応できるよう、日本語の基礎指導を行う事を優先したいと考えております。
宇野 基本的には学力テスト実施は反対です。テストに莫大な60億もの経費を使わないで、過日予算要望請願書が出ましたが、必要なところに使って欲しいのです。
学力テストの前には校長会や教頭などへの説明、現場の職員への対応説明など負担があり文科省はもっぱら情報提供と、改善を促しデーターの分析や改善計画は各教育委員会や、学校教員の仕事になっています。テストの後全都道府県、政令都市に検証改善委員会が設置され3月に各地の教育委員担当者を集めて成果報告会が開かれましたが、模範的取り組みの報告は3時間以上もあって、関係者はい眠っていたと報道されていました。テストのたびに改善計画が求められ連動していないのではないか。

草津市での状況は如何ですか、計画作りに時間とエネルギーが多大にいるのではないかと思います。改善疲れの状態でもテストの効果はありテストは必要と思われますか。
答弁 本市では調査結果をもとに各学校で改善計画を立て本年度具体的な学校づくりで活用いただいているところです。教育委員会と致しましても、調査結果の活用の在り方につい検討をし、学校における「わが校の学力向上策」を作成する等の取り組みの方向性を示しています。
また、教科の学力だけでなく、児童生徒質問紙問紙調査から見えてきた課題などに、全校的に取り組み学習習慣の向上などで成果を挙げつつある学校もあります。
この調査では児童生徒の学力の一部ではありますが、学校改善や学習改善を図る一つの視点としてとらえていることから必要であると考えております。
宇野 (再質問)
12月4日に配布された教育委員会事務の点検及び評価の報告書には5ページに20文字くらいの報告で、学校の学力向上プランの作成と実践を支援する体制作りを行うとあるが、具体的にはどういうものがありますか。
答弁 生活実態からどのように指導するのか学力調査の結果、学校として改善するか、他の教科へどうするのか考えている。
宇野 学力テストをしないで学力を上げている犬山市は教育委員会がしっかりと独立していた事を、人権センターで学習会があり、お一人教育委員さんも参加されていました。夏には名古屋へ犬山市の教師・教育委員・保護者がこられた勉強に行ってきました。そこでは教師同士の学びあい、子どもの相互間の学びあいを実践されている。決して束縛をしないと言う柱がある。犬山市の教育をご覧いただきたい。
平均値の比較をするのでなく到達点との関係が重要ですが学力偏重教育に繋がらないようにお願いします。
学校現場には理不尽な要求をしたり、突き上げる保護者が居るのを聞いているが、この親たちの年代は私たちの子どもの世代です。私たちの子どもの中学校の時は学校が荒れていました。これを何で押さえたかは校則でした。すごく厳しい校則でしたので考えると、絞めれば締めるほど反動は大きいと思います。子どもには誉めて励ます事が大事ではないか。大人も嫌な言葉がけをされるよりも言葉を選びながら同じものを伝えて貰うと快く動けるという事があるので、教育のなかでも考えて貰いたい。
PTA会長をしていた時卒業式に祝辞を述べて職員室へ来た所へ、元気でやんちゃな子どもさんが声をかけに来てくれた。
「美香のおかんやったんやてな。知らんてたわ。おばはんの前のおっさんの話、しょうもなかったわ」と大変申し訳ございませんが教育委員さんのことでした。
子どもが心を開いて寄ってきてくれた事は嬉しい思いをしました。子どもには心開いて接する事が必要と思います。
先日矢倉小学校のPTAの人権講演会では皆さん涙して聞いておられましたことを思い出していただきたい。心の教育が大事と思っています。子どもを縛ることなく個性を伸ばす教育を実践して貰いたいと思います。
もう一度申し上げます。犬山市の教育について勉強された教育委員さんが居られますので、ご参考になされ、フィンランドの教育にもすばらしいものがあります、これもご参考にされて草津市の子どもを私たちと皆で育てていき住みよい街へ繋がる事を祈念いたしまして、質問と私の意見も述べさせていただき終わります。
草津市議会議員 宇野 房子 [住所] 滋賀県草津市矢倉1−2−45
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