草津市議会議員 宇野ふさ子
宇野ふさ子のブログ ふさ子日記
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議会の記録
市議会報告 平成30年9月定例会 一般質問
まちづくりにおける市民参加について
宇野 市民派クラブ会派の宇野房子でございます。
質問項目が少ないのですが、お尋ねしたいことで時間いっぱいになるかと思いますので、前置きはさておき早速に質問に入らせていただきます。

今回はまちづくりにおける市民参加についてこの質問でいくつかはいらせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

国民主権や市民主権の文言を「国民ファースト」や、「市民ファースト」など政治家の造語に置き換えて表現されるのは、いかに政治に関心を持っていただいて、主権者自身の意見を取り入れた参加もしくは参画へといった形を訴えていらっしゃることを感じます。
ボトムアップの進め方は重要で、民主主義においては市民の声を聴いたうえの政策決定と、情報公開が基本ではないかと常々思っています。
自治体基本条例が策定されるときの過程においては、市民とともにワーク等々を予定以上に実施されてきたと記憶しています。市民の意見を取りいれるその進め方は時間がかかりましたが、いろんなことが思い出されます。
その当時、他市で制定されていたいわゆる「自治基本条例」ではなく、草津市では「自治体基本条例」としたことには、憲法と同じく市民を主権者としたことで、その中には「市民参加条例」を設けることが掲げられました。
まちづくりは市民の自治力をつけることは重要で、これがどれくらいのものであるかどうかで行政の死活問題につながりかねませんし、市町の活性化につながります。
また市民の協働によって行政の仕事が減ることでもあります。
そこで今回の質問は市民参加についていたします。

●草津市の市民参加の手法について
草津市の市民参加の形には、いろんな手法がございますが、どのようなものがいくつあるのか、その実施状況も含めて確認させていただきます。

まちづくり
協働部長
草津市市民参加条例におきまして、代表的な市民参加の手法といたしまして、アンケート等の意向調査、審議会等の設置、パブリックコメント、タウンミーティングといった市民説明会等の4つの項目を掲げております。また、これらの手法に限らず市民参加の効果を得るために適した手法の選択も行っているところでございます。このほか、同条例では、市が市民参加の対象なる事項を実施する時には、その政策過程における課題の発見、立案、実施、評価等の各段階において、それぞれ市民参加の手法を選択するものといたしております。
平成29年度の実施状況でございますが、市民参加の対象となった17の事項におきまして、課題の発見段階では、市民ニーズの把握等のため審議会等の設置が15件、アンケート調査5件、ヒアリング調査1件を実施いたしました。また、立案段階では、合意の形成のための審議会等の設置が16件、計画のパブリックチェックのため、パブリックコメントを17件実施しております。また、実施段階におきましては、情報の共有等のため、ホームページへの掲載が17件、広報紙への掲載が16件を行っております。
評価の段階における成果のパブリックチェックにつきましては、政策の成果が現れる平成30年度以降に実施する予定なっております。
宇野 各種色んな方法で市民のご意見をいただいて政策に反映するというご努力をお聞かせいただきました。中でもおっしゃっていただきましたパブリックコメントについて今回は特にお尋ねをさせていただきたいと思っております。
このパブリックコメントと聞いただけで市民のみなさまが、スカッと理解できて意見を出そうかという状態になるかどうか、まずはパブリックコメントについて定義と言いますか、どういうものであるのか分かりやすいお言葉でご答弁をいただきたいと思います。

まちづくり
協働部長
パブリックコメントは市が公表する政策等の案に対しまして、皆さまからご意見を募集し、それらのご意見を参考にし、意思決定を行うとともにご意見に対する市の考え方を公表するという大変重要な手続きでございまして、もうパブリックコメントという言葉が市民のみなさまには馴染んできたころなのかなという風にも考えてございます。
宇野 これは制度でございますね。

まちづくり
協働部長
市民参加という制度でございます。
宇野 ●パブリックコメントについて
パブリックコメントに特化して質問を深めさせていただきたいと思いますが、議会の一般質問や常任委員会でも度々パブリックコメントは機能しているかといった趣旨の発言を過去から聞いてきました。
パブリックコメントが「民主主義的参加手続」であるのかそうでないのか等、パブリックコメントの位置づけが定まっていないのではないかと外からは見られていないでしょうか、現在のパブリックコメントの実態を把握し、パブリックコメントが向かうべき方向が見えているのかどうか、パブリックコメントの存在意義についてはどのような見解をお持ちなのでしょうか。また課題はあると考えておられるのならば、何を補えばよいのかご所見を伺います。

まちづくり
協働部長
パブリックコメントの重要性は先ほど答弁申し上げたとおりです。
昨年度パブリックコメントを実施いたしました17の事項に対して、45人の方から101件の御意見をいただきました。そのうち、8つの事項につきましては御意見がございませんでした。
このパブリックコメントが、市民参加のための有効かつ重要な手法の一つとして認知され、活用されることで、本市における市民参加がさらに推進されることが目指すべき方向であると考えております。
パブリックコメントの意義は、決して情報公開として本市の政策過程をお知らせするというものではなく、市民の皆様と情報を共有し、いかに多くの市民の皆様に市政に参画していただくかという「市民参加」がその本質であり、最も肝要なところと考えております。
こうした中で、各政策案に対して、市民の方の関心を喚起するための情報の伝達方法や関係団体や関係機関への情報の伝達方法に課題があると考えまして、これらに対応するため昨年度、パブリックコメントの周知方法等を見直したところでございます。
宇野 実施が17件45人のご意見をいただいているということですが、意見が多い少ないによってこれがどうなのかという解析というか考察はどのようにお持ちでございますでしょうか。数が多いばかりがいいとは思わないのですし、そのパブコメだけで意見を聞くのもどうかと思っておりますので、市民の意見を吸い上げるときに、パブコメの少ないとどうなのかと、冒頭に申し上げましたように、常任委員会やこの議場でも、パブコメは機能しているのかというお尋ねもありましたので、どういう風に感じておられますでしょうか。

まちづくり
協働部長
パブリックコメントは先ほども申しました通り、市民参加にとって非常に重要な指標であると考えています。
そういう中にあって、17の項目に対して45人101件というのは、数字上は少ないように感じるかもしれないが、数字だけではなく、その中身の濃さ等、いろいろと関係してくるかと思います。
実態として、もっと多くの方に関心を持っていただきたいと思いますが、その周知方法に問題があるのかなと強く感じており、そのあたりも強く見直してまいりたいところです。
宇野 これからお尋ねしようかと思うところも、ただ今の答弁の中に含まれておりますが、通告に従ってお尋ねをさせていただきたいと思っています。

●パブリックコメントの実施について
実施期間には市民や他市からもご意見をいただくことがあるかと思いますが、実施にあたり次のことに関してお伺いいたします。

1) 周知方法について
執行機関は情報の提出期間、提出方法等を定めなければなりません。
運用上の課題として、アクセスのしにくい施設に置いていないでしょうか。当事者団体へは絶対送るなど、周知の見直しの点と、市民が意見を入れやすい時期に実施するにはどのような段階で公表するかということがありますが所見を伺います。

2) 開始時期と期間について
パブリックコメントと審議会手続きとの関係があります。少なくとも1ヶ月以上とし、提出期間について執行機関が特に必要と認めるときは、当該期間を短縮することができる。とありますが課題はありませんか。

3) 意見集約とその反映について
意見が採用される、されないは反映するかしないか、必要性はどうなのかということですが、「て・に・を・は」の修正の意見は受け入れやすく反映されましても、答申の「そもそも論」など、根本からの覆しは出来ないと思います。
このことから意見集約を重視するうえでの工夫はありますか。

まちづくり
協働部長
1) 周知方法について
パブリックコメントの実施における周知方法につきましては、現在の運用は、市のホームページ、広報紙への掲載とともに、地域まちづくりセンター、図書館、隣保館、UDCBK等、市内22所の公共施設にパブリックコメントの実施状況を周知するための専用の掲示板を設置することで、よりよく市民の皆様へ情報を共有できるよう取り組んでいるところでございます。
また、従来から関係団体等への資料の送付等を行ってまいりましたが、今回、個別の事業内容説明や資料配布等を徹底するよう周知の見直し行ったところでございます。
パブリックコメントは、その多くは市が政策の原案を示し、パブリックチェックを受けるものでありますことから、審議会等からの答申や庁内での議論を踏まえた上で、その素案を公表しているところでございまして、立案の段階で実施しているものでございます。

2) 開始時期について
次に、期間につきましては、パブリックコメントの期間を短縮することは、有効な周知方を取ることができないことや多くの意見や情報が提出される時間が確保できないことが考えられますことから、現在のところ原則通り1か月以上の期間を設けて実施いたしておりまして1か月未満での期間で実施した案件は、現在今日までございません。

3) 意見集約とその反映について
次に、意見集約を重視するうえでの工夫についてですが、政策過程における「課題の発見段階」は、アンケートやワークショップ、ヒアリング調査などを実施し、後の審議会等で活発な議論が展開されやすいよう努めておりますし、政策の立案段階に実施するパブリックコメントでは、市が政策の原案を示すものでありますことから、審議会等からの答申や庁内での議論を踏まえた上で原案のみならず概要版等でわかりやすく市民の皆様へ公表しているものでございまして、パブリックメントによる御意見を真摯に受け止め、内容を検討し、素案に反映すべきものは反映いたしております。
このように、政策過程の各段階に応じたパブックコメントをはじめとする手法を選択、活用することにより、より多くの市民参加が得られるよう努めているところでございます。
宇野 公共施設へ配布し公表していただいております。しかしそちらへ出向けない方々もいらっしゃいます。パソコンで見られない方がいらっしゃいます。紙媒体の方々にとりましては、施設へ行くことができないのでパブコメの内容が読み取れないという場合には、内容の取り寄せのサービスをする自治体がございますが、その様なことをお考えになったことはございますか。

まちづくり
協働部長
庁内すべてにその方法を伝達しているわけではございませんが、仮にそのようなお問い合わせ、要求があれば、概要版等の送付等の対応は可能でございます。
宇野 よろしくお願いいたしたいと思います。
市民の意見を反映して立案していくということでございますが、審議会を閉めてからのパブコメですので、答申の素案ができているわけですから、これがソモソモどうなのという意見はなかなか取り入れられないと思います。「て・に・を・は」を変えることはできそこら辺によってパブコメに出す段階、市民の意見を聞く段階がこれでいいのかどうか、もう一度答弁をいただきたいと思います。

まちづくり
協働部長
パブリックコメントの実施時期は、本市ではその多くは審議会等で答申をいただき、庁内で議論して原案として市民の皆様に公表するという方法をとっております。この方法であると確かに原案として固まりつつあるという段階で、なかなか市民の意見を取り入れにくいとお考えになる方が多いとは思いますが、一方で、原案という形で市民の皆様に公表するので、その全容が非常にわかりやすいという利点がございます。
また、このパブリックコメントの時期で、審議会等が実施するパブリックコメントがございます。これは審議会が実施し、その意見を取り入れ、そのあとに答申をされるという時期が多いのですが、ここでは、市民の多様な意見が反映されやすいという利点がある反面、公表する案がまだ原案の形ではないので、やや内容が分かりにくいというところもあり、本市では、一旦原案を造った後に公表し、パブリックコメントをするという例が多い状況となっている。
宇野 原案が大方できあがった方が市民のみなさまには全体的に把握しやすいということを仰っていただいたと理解しましたが、自治体基本条例の時は、本当に何回も何回も、私も参画させていただいておりました。市民の意見が答申案ができてからでは、なかなか入りにくく、まして、議会へ入ってきた時には審議会のまとめられたものを尊重してということで大方、そのまま追従ではございませんが、認めさせていただいておりますので、先ほどのご答弁ならまだ考えられる余地があると感じましたので、もう一度お考えいただきたいと思いますがご所見いただきたいです。

まちづくり
協働部長
施策を決定する中でスケジュールがあり、時間的なことも考慮する必要がありす。一方で、審議会等がパブリックコメントをするという手法は、今も市民参加条例の手引きの中で認めており、それぞれ施策を作ろうとする各部局がどのような手法をとっていこうとするのかは、また当部と協議の中で進めていけばよいかと考えています。
宇野 検討ではなく進めていくとおっしゃっていただきましたので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

●審議会等の委員選任について
行政に設置される審議会等の委員の選定では各種団体からと市民参加として、男女比を考慮した一定数の公募枠があります。審議内容が先に共有できているか、全体的に見えるように光の当て方をどうしたらいいのかが課題ではないかと思われる審査委員会の傍聴をしたことがあります。
審議会等委員選任状況集計結果(30年3月時点)では、各種審査委員会等には公募はほとんどゼロですが、審議会等に公募委員選任がない理由をお尋ねします。
委員として発言は重いものですが、委員の選任についてお伺いします。

まちづくり
協働部長
審議会等の委員の選任につきましては、市民参加条例の規定により審議会等には原則として公募により選考する市民を含めるものといたしておりますが、各種審査委員会等につきましては、委員の選任にあたりまして法令の規定により委員の構成が定められているものや特に専門的な知識等が要求されるもの等があり、平成29年度においては72の審議等のうち27の審議会等において公募委員を選任していない状況でございます。
公募委員以外の委員の選任につきましては、審議会の設置目的により、専門的な知識や経験を有される方、関係団体の推薦を受けられた方や、地域の代表の方など、その審議会における職責を果たしていただける方を担当部局におきまして、選任している状況でございます。
宇野 特に専門的知識がいるものが公募していないということでございますが、専門的知識をお持ちのはずの審査委員会に入らせていただきました時に、その審査委員会の前に協議で審査する内容がきちんと把握していただいているのかどうかと感じました。
僭越なことを申し上げるかもしれないのですが、草津市の今の状況をきちんと把握されて委員会に臨んでいただけるようなご配慮をお願いいたしたいのですが、何を言ってるか分からないかもしれないのですが、そういう委員会ありましたので、その審査委員会の前には審査する課題の重要性をきちっと把握できるための協議を持っていただけることはできないのでしょうか、お尋ねいたします。

まちづくり
協働部長
審議会等が開催される前には、委員に資料を送付させていただくのですが、単に郵送するだけではなく、必ず資料内容の説明とともに資料を持っていくように努めています。その時に、草津の状況等を必ずお伝えするようにしているが、庁内にそのやり方は徹底するように周知していきたいと思っています。
宇野 徹底するようにというお言葉をいただきましたので、その辺の取り組みよろしくお願いいたします。
それと公募数が少なくて達成度が低いから基準を変えるのではどうなのかと思うのですが、先だって傍聴させていただいた時には、兼任、再任の枠を下げられたことはどうゆうお考えがございましたのでしょうか。

まちづくり
協働部長
評価基準の見直しのご質問でありますが、今までは、審議会の委員を2期以上務める再任や、2つ以上の委員を兼ねる兼職の委員が1人でもおられる場合は、制限事項に該当するということから、その審議会の評価が落ちるというような判定がされておりました。しかしながら、審議会の継続性や専門性の確保という面から、制限事項を一切認めないという運用は実態からかい離しているのではないかということを委員会でも議論いただきまして、再任については3期まで、兼職については3審議会までは認めていこうと審議会で基準の見直しを行っていただき、庁内に広めたものです。
宇野 ●市民参加推進評価委員会について
草津市協働のまちづくり条例には草津市協働のまちづくり・市民参加推進評価委員会が設置されています。
事業の進め方では、実施したことの現状把握、特性分析その課題整理をし、次に生かしてつなぎます。
市民参加条例には「評価等」の「等」とは、評価を受けての見直しや次の施策への反映を指しています。と掲げてありますが、評価委員会から見えた課題の解決にはどのような手順で進められていますか。

まちづくり
協働部長
草津市協働のまちづくり・市民参加推進評価委員会につきましては、毎年、審議会等おける委員の選任状況や市民参加の対象となる事業の手続き状況など、本市の市民参加の進捗および達成状況を報告し、当該委員会に評価を行っていただいております。
その評価を行っていただく中で、本市の市民参加における課題や、その改善策について協議いただき、今日までに、審議会等の委員選任状況の評価基準の見直しや、パブリックコメントの実施方法の見直しなどの、様々な御意見をいただいてきたところでございまして、これらを反映して市民参加の更なる推進に向け、全庁的な取組をすすめているところでございます。
宇野 何処の委員会も感じておるのですが、年間の開催の回数がほとんど決まっていると思います。市民参加推進評価委員会では評価の途中に何か問題があったとか、緊急性のある場合は招集して、評価をされるのでしょうかお尋ねいたします。

まちづくり
協働部長
今日まで、緊急に開催する事例がなかったので、今のところ緊急に開く委員会であると想定はしておりません。
宇野 緊急ではなくても、この評価がわずかの回数であの沢山の政策を評価ができるのかどうか、非常に危惧していますが、ここについてもう一度お疲れ様です。尋ねたしたいのですが、緊急性がないとおっしゃるのですが、想定はどの辺をもって感じておられますでしょうか。

まちづくり
協働部長
ここでいう緊急性と申しましますのは、政策を進めていく中で、当初想定していたものと環境がずいぶん変わってしまったというような場合を想定します。
宇野 評価委員会にかかわらず、審議会等もほんとうに計画は年次計画を立てて最後にまとめる段階までの行程を示されますが、そこに落としてしまうのではなくて審議の過程が大事だと思っております。そこに市民の意見が入ってこなくてはならないのですが、その参加した各種団体からお越しであるならば、その団体の意見をもって踏まえてきておられるのか、個人で発言をされているのかそこによってすごく違うのです。自分が見た目だけでおっしゃっている方と、自分が出てきた団体を背負って発言されておられる等、色々お見受けいたします。
団体長さんなり出ていただくのは大方男性でございます。その団体の中で出ていただく方が、男性でなくともその中で審議会を担当する方が出ていただけばいいのですが、そのお考えはどうなのでしょうか。委員委嘱の時のご説明はどのようなのでしょうか。

まちづくり
協働部長
審議会が必要とする各種団体には、審議会によりその目的があると思うので、その団体へ依頼するということになるが、ただ必ずしもその長を委員とすることをお願いするわけではなく、その分野に精通した方が仮に長以外にいるのであればその方の参加をお願いするところです。
今日までの経過を見ると、今議員がおっしゃったように男性の選出が多いので、可能ならば女性の選出をお願いする一文もお願いしながら、各種団体に委員の選出を依頼している状況です。
宇野 ●女性の政治参画について
女性の政治参画が先進国でここまで少ない国はありません。
現在の衆議院は男性議員418人に対して女性議員がわずか47人。各国の議会が参加する列国議会同盟の2017年ランキングによれば、日本の衆議院は、女性議員の割合が193か国中165位です。地方議会に関しても女性議員がゼロの議会もあります。
男女が政策立案・意思決定の場に共同参画する機会の確保が必要であり、今回「多様な国民の意見が的確に反映されるために一層重要」と義務付けた「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が2018年5月成立しました。
いわゆる男女候補者「均等法」と言い換えられるのではないかと思っています。
この理念法には罰則規定はありません。

骨子
衆参両院や地方議会の選挙では男女の候補者を「できる限り均等」にすることを目指す

政党や政治団体は男女の候補者数の目標設定など自主的な取り組みに努める

国や自治体は女性の政治参画推進に関する必要な施策を講じるように努める
と掲げています。

1) 「政治分野における男女共同参画推進法」の本旨についてどのように受け止めておられるでしょうか。
この法に沿った自治体の責務について、草津市ではこれからどんな計画を講じて進めていかれるのか伺います。
岡野
政策部長
5月に成立しました「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」については、男女同参画社会基本法の基本理念にのっとり、政治分野における男女共同参画を効果的、積極的に推進し、もって男女が共同して参画する民主政治の発展に寄与することを目的としており、大変重要な法律であると認識しております。
市では平成27年度に第3次草津市男女共同参画推進計画(後期計画)を策定し、計画目標の一つとして、男女がともに社会のあらゆる分野に参画できる環境づくりを掲げ、政策・方針決定のへ場の女性の参画推進などの施策を進めておりますが、この法に基づく具体的な施策についても、今後関係部署と調整しながら検討してまいります。
宇野 最後に関係部署と調整とおっしゃっていただきましたが、どこをさしていらっしゃるのかお尋ねいたします。
岡野
政策部長
まだ国の方におきましても、施策の体系が示されていない状況なので、具体的には、まだ決まっていないが、市の体制で考えますと、選挙では総務部が中心となってやっているので、総務部であったり、人材育成の方ですと、教育の関係もあるので、そういった部署が想定されると考えております。
宇野 以前にもここで申し上げたと思います。
男女共同参画については、最初青少年婦人係からスタートして、重要なポストていうか総務迄挙げていただきました。上げるというのはおかしいですね。組織を変えていただきました。他市ではまだそこまでいかないところが多ございます。 ここまでやっと草津市は男女共同参画について庁内で委員会の職員さんの中でしていただいております。ますますお進めいただきたいと思います。

2) 女性が議員活動しやすい環境整備について
環境整備では誰もが出やすいことが好ましいのですが、「誰も女性に出るなとはいってないから、出てもらえばいいのだ」このような言葉は常々聞きますが、何で女性の出馬がしにくいのでしょうか。
立候補する側の勇気ある意識だけではない要因があります。これは今の社会状況を見ればなかなか難しいバリアがあります。
子育てが一段落するまでは子どもに向き合えばいいという、議員活動を批判する世間の声などがないわけではありません。「議員か子育てかどっちかにしろ」なんてことを言って問題視された他市の議員の報道がありました。 女性議員が活動できる環境整備についての考え方を伺います。
岡野
政策部長
女性が議員活動しやすい環境整備につきましては、整備すべき環境は建物等の物理的環境、休暇制度等の制度的環境、さらに女性の政治参画への意識や理解が考えられます。
物理的環境としましては、議場のバリアフリー化や授乳スペースの整備等があると考えられます。
制度的環境としましては、育児休業等の制度化や議員活動に伴う子どもの保育・託児支援があると考えられます。
また、女性の政治参画への意識や理解につきしては、「政治は男性が行うもの」という固定的な考え方を払拭していくことや、議員活動の中でセクシャルハラスメントや女性差別を受けることのない環境づくりをしていくこと、妊娠中、子育て中などの女性議員に対する理解やサポート等があると考えております。
宇野 ありがとうございます。物理的なこと制度的なことをここまで答弁をいただくとは思っておりませんでした。と申しますのは物理的には職員さんも同じようなことでございます。議員も同じようなことですので、この庁内に働く者の授乳室とか保育に関しての制度ができるといいと思っておりましたが、議員の活動に対してこういう答弁をいただいてうれしく思っております。また、制度的に育休、これも保育に関してもこの中で働く職員さんも然りでございます。
議員が即電話かかれば出ることなどいろんなことがございます。その対応ができないかと思います。出張も職員さんにもございます。その時に子どもを連れていく、行かないで、大分の女性議員は自分のお母さんか誰かを伴って私費で出張にいってホテルは一緒ですが会議の時はお母さんが保育する、そういうなことをしてでも参加する方がいらっしゃいましたので、そこ辺りは難しいと思いますが、少しずつでも前に進めないと女性がこうした不規則な動き方に対してなかなか出馬しようかと思った時にはもしかして、妊娠していたとかこれから何かがあるといえば、おそらく出馬できないといいますと、また4年待たなくてはなりません。
周りの協力が必要と思いますし、意識改革はなかなか難しゅうございます。
これに関しては朝日新聞に報じられたのですが、自民党男性議員が女性がなにもいいことではない、問題意識は何も持っていないと、女性が参画することに、問題意識を持っていないと県議会でおっしゃって問題になったことがございました。
意識改革はまだまだと思っていますし、特段の働きかけをしないで女性が簡単に出ていくのは難しい、何のやる気もないという風な記事が、この法ができてもどうのこうのしようとは思っていないと報道されていました。こういうことは、私の周りでは聞いたことはございませんが、もしかして根底にあるならばもったいない話です。
お若い方のご意見、子育て中の自分の体験をこの場で発言していただけるだろうと思います。実生活の意見を意思決定の場に持って出るのは、はやり女性が参画することで、政策が変わってくると思われます。フォローとか支援をよろしくお願いいたしたいと思います。

3) 人材育成について
女性議員を増やす運動においては、いろんな経緯があります。政治分野における男女共同参画推進法が成立するまでの7年間には、超党派の国会議員連盟、マスコミ・ミニコミの熱心な報道記者、地方議会議員、保育サービスやセクハラ・DVなど女性政策の貧困に憤る市民らの絶えまぬ運動があったことを、東京の院内集会にも参加して周知しております。 今後は「政治分野における男女共同参画推進法」の4、人材育成等(第8条)に掲げてある政治分野における人材育成のために、研修等々の必要性をどうとらまえておられるでしょうか。
岡野
政策部長
人材育成ということでございまして、市の推進計画では、女性の活躍推をポジティブ・アクションと位置づけ、市民活動における女性の活躍推進、政策・方針決定の場の女性の参画促進など女性の人材育成のための取り組みを実施しているところでございます。
しかしながら、各種団体・機関の役員や管理職等に女性の参画が少ないため、政策・方針決定の場への女性の参画が進まないといった課題もあります。
今後も、女性リーダーの育成をはじめ、市政に関心を持つ女性を増やすための取り組み、さらには女性が一歩踏み出せることができるよう、男女共同参画意識の啓発に取り組まなければならないと考えており、これらにより、政治分野における人材育成につながっていくのではないかと考えてります。
宇野 市政に関心を持つことは大事でございますけれども、どういうふうに育成のための企画と言いますか、簡単に人材育成のために具体的にまだ、この場では難しいかもしれませんが、こういうことをして行けばがいいなというお考えはございますか。
岡野
政策部長
今、政治分野についてというテーマにして頂いているところでありますが、今現在は一般的に社会参画を進めていこうということで取り組んでいます。その中で、直近では、働く女性のセミナーというものを開催する予定であります。女性の活躍推進を掲げた中で、女性の就業率をいかに上げていこうかとうこともあり、起業塾と市民との協働でやっています。
学習・研修の関係では、全国的な会議へのご出席の助成制度も設けておりまして、各種の人材育成に関わる事業を展開しているところでございます。
宇野 市政に関心を持っていただく、まずは主権者意識だと思っています。女性会議をされるところもありますが、会議の方法ではなくまず自分たちが街をつくる主権者たるやということが必要だと思っています。
主権者教育について学校の方でも進めていただくには何かございますでしょうか。
中瀬
教育部
理事
小中学校では発達段階に応じて総合的な学習等の時間に男女共同参画に関する授業を行っております。以前にも答弁しましたが、中学校の保健体育や技術家庭の授業を男女共修にしたり、学級名簿を男女混合にする等日常の学校生活でもその考えを反映しているところです。また、主権者教育についても今後一層進めていきたいと考えているところです。
宇野 最後にこの法律が成立して申し上げたいのですが、皆さんご存知の旧労働省婦人少年局長として男女平等を規範にする男女雇用機会均等法を成立させた、赤松良子さんはこんな風におっしゃいました。
この候補者均等法には罰則規定はないけれど、各党が本気で実行するかどうか有権者がチェックすることが必要であってどの政党が女性議員をどれだけ増やしたか女性の候補者や女性幹部をどれほど増やしたか、しっかりチェックしてやる気のない政党には選挙でノ―を突き付けることがなにより大事だと、強いことをおっしゃいました。そこまでいかなくとも、やはり女性が一歩踏み出すことが大事だと思っておりますので、今後みなさまとともに働かせていただきたいと思っております。
草津市議会議員 宇野 房子 [住所] 滋賀県草津市矢倉1−2−45
[e-mail] fusakouno@gmail.com